MSP(マネージドサービスプロバイダー)とは?導入メリットと選定ポイント

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MSP(マネージドサービスプロバイダー)とは?導入メリットと選定ポイント

サーバーやネットワークの監視、障害対応、セキュリティ対策など、企業のIT運用業務は年々複雑化しています。「24時間365日の監視体制が必要だけれど、社内リソースが足りない」「属人化した運用体制を改善したい」といった課題を抱える情報システム部門の担当者の方も多いのではないでしょうか。

こうした課題の解決策として注目されているのが「MSP(マネージドサービスプロバイダー)」です。本記事では、MSPの基本的な役割やサービス内容、導入メリット、選定時の注意点について解説します。

この記事でわかること
  • MSPとはSIer・SESとの違い
  • MSPが提供するおもなサービス
  • MSPを利用するメリット
  • MSPの選定ポイント
目次
  1. MSPとは
    1. SIer・SESとの違い
    2. SIer
    3. SES
    4. MSP
  2. MSPが提供するおもなサービス
    1. 24時間365日のシステム監視
    2. 障害検知と一次対応
    3. バックアップ管理
    4. セキュリティ対策
    5. 構築・設定代行
    6. 運用状況のレポート
  3. MSPを利用するメリット
    1. 運用負荷の軽減 
    2. 24時間365日の監視
    3. 属人化の解消
    4. 専門知識の活用
    5. コストの最適化
  4. MSPの選定ポイント
    1. 対応範囲
    2. SLA 
    3. セキュリティ体制
    4. 運用実績
    5. サポート体制
    6. 契約条件
  5. まとめ

MSPとは

MSPは「Managed Service Provider(マネージドサービスプロバイダー)」の略で、企業のITインフラやシステムの運用・管理を代行するサービス事業者のことを指します。

サーバーやネットワーク、クラウド環境などの監視・保守・障害対応を継続的に提供し、企業のIT運用負荷を軽減することがおもな役割です。従来のように「何か問題が起きたときだけ対応する」のではなく、日常的な運用管理を包括的に任せられる点が特徴です。

SIer・SESとの違い

MSPと混同されやすい存在として「SIer(システムインテグレーター)」や「SES(システムエンジニアリングサービス)」がありますが、それぞれ役割が異なります。

SIer

システムの企画・設計・開発・導入まで、「最初から最後までつくる工程」を支援するのが基本的な役割です。リリース後の不具合対応や機能追加などもおこないますが、システムを構築することが主軸です。

SES

クライアント企業にエンジニアが常駐し、技術支援を提供する契約形態です。システム開発や保守、運用などの業務を支援し、エンジニアの技術力を提供する形で業務に従事します。

MSP

システム構築後の「運用フェーズ」に特化しています。24時間365日体制で稼働中のシステムを継続的に監視・管理します。

業務領域が重なるケースもありますが、MSPは「止まらないこと(運用の継続性)」に重きを置いており、月額固定料金で定常的なサービスを提供する形態が一般的です。

MSPが提供するおもなサービス

MSPが提供するサービスは多岐にわたり、事業者や契約内容によって異なります。ここでは、代表的なものを紹介します。

24時間365日のシステム監視

システムの稼働状況やリソース使用率を24時間365日体制で監視します。CPU使用率やメモリ使用量、ディスク容量、ネットワークトラフィックなどを常時チェックし、異常を検知した場合には速やかに通知・対応をおこないます。

クラウド環境の監視にも対応しており、オンプレミスとクラウドが混在するハイブリッド環境でも、一元的な監視が可能です。

障害検知と一次対応

システム障害やネットワーク障害が発生した際の初動対応を代行します。アラート検知後、事前に定めた手順に沿って原因特定や復旧作業を実施し、必要に応じてエスカレーションをおこないます。

夜間や休日に障害が発生した場合でも、MSP側で一次対応が完結するため、自社の担当者がつねに待機する必要がなくなります。

なお、一次対応の範囲は、事業者や契約内容によって異なります。アラートの通知のみをおこなう場合もあれば、事前に用意した手順書に沿って操作する場合、OS再起動など限定的な操作まで対応する場合もあります。

バックアップ管理

定期的なバックアップの取得・保管・復旧テストを実施します。バックアップが正常に取得されているか、万が一の際に復旧できる状態になっているかを継続的に確認することで、データ損失のリスクを低減できます。

セキュリティ対策

ファイアウォールやIDS/IPSの運用、ログ監視、脆弱性診断などのセキュリティ対策にも対応しています。セキュリティパッチの適用管理や不審なアクセスの検知・対応をおこなうことで、セキュリティインシデントの予防や早期発見につながります。

クラウドセキュリティや脆弱性診断について詳しくはこちら

構築・設定代行

新規サーバーの構築やネットワーク機器の設定変更、クラウドリソースの追加など、運用に関連する構築作業を代行するサービスもあります。構成管理ツールなどを活用し、標準化された手順で作業をおこなうため、設定ミスによる障害リスクを抑えられます。

運用状況のレポート

月次や週次で運用状況をレポートとしてまとめます。稼働率や障害発生件数、リソース使用状況などを可視化することで、システムの現状把握が進み、改善施策を検討する際の判断材料として活用できます。

MSPを利用するメリット

MSPを導入することで、以下のようなメリットが得られます。

運用負荷の軽減 

日常的な監視業務や定型的な対応作業をMSPに任せることで、社内の情報システム部門は本来注力すべき業務に専念できるようになります。新規プロジェクトの推進や業務改善施策の検討など、より戦略的な業務にリソースを集中できる点は大きなメリットとなるでしょう。

24時間365日の監視

自社で24時間365日の監視体制を構築するには、複数の担当者配置やシフト調整が必要となり、人件費や管理コストが膨らみます。MSPを利用することで、こうした体制を自前で用意することなく、常時監視が可能です。

夜間や休日の障害対応も、MSP側で初動対応が完結するため、社内担当者の心理的・肉体的負担が大幅に軽減されます。

属人化の解消

特定の担当者しか手順を知らない属人化した運用体制では、その担当者の退職や異動が運用停止を招くリスクになります。MSPを導入すれば、運用手順の標準化や文書化が進み、複数のエンジニアが対応できる体制を構築できます。

また、MSP側の豊富な運用ノウハウに基づき、社内では見落としがちな課題に対して改善提案が受けられる点もメリットです。

専門知識の活用

クラウドサービスやセキュリティ対策など、IT技術はつねに進化しており、最新の知識を継続的に習得することは容易ではありません。MSPは複数の顧客を支援するなかで、日々最新の専門性を高めているため、自社で一から習得するよりも効率的に最先端の技術を活用できます。

コストの最適化

自社で監視体制を構築・維持する場合、人件費や監視ツールのライセンス費用、教育コストなど、変動しやすいコストが継続的に発生します。一方、MSPは月額固定費で利用できるケースが多いため、運用費の見通しが立ちやすく予算管理が容易になります。

また、ビジネスの規模や必要な範囲に応じてサービス内容を調整できるため、過剰な投資を避け、適切なコストで安定した品質の運用体制を維持できます。

MSPの選定ポイント

MSPを選定する際は、以下の観点を確認することが重要です。

対応範囲

MSPが担う業務範囲と、自社側で対応すべき範囲を明確に定義することが不可欠です。

監視業務のみを依頼するのか、障害発生時の一次対応・復旧対応まで含むのか、あるいは設計・構築フェーズまで支援可能かなど、具体的なサービス内容を事前に確認しましょう。

これらの対応範囲は、契約プランや料金体系によって異なる場合があります。基本料金に含まれる内容と追加費用が発生する範囲を明確にしておくことが、予算管理において重要です。

また自社のシステム構成に応じて、オンプレミスまたはクラウド環境のいずれに対応しているか、あるいは両環境を横断したハイブリッド構成の運用までカバーできるかも重要な判断基準となります。

SLA 

障害発生時の対応時間や稼働率の保証など、SLAの内容を確認しましょう。とくに、障害検知から一次対応開始までの目標時間や、エスカレーションの判断基準が明確になっているかは、重要な確認ポイントです。

SLAについて詳しくはこちら

セキュリティ体制

MSPはシステムに深くアクセスする権限を持つため、セキュリティ体制の確認は必須です。ISO/IEC 27001やPマークなどの認証取得状況、アクセス権限の管理方法、ログの保管体制などを確認しましょう。

また機密情報の取り扱いについて、秘密保持契約(NDA)を締結することも不可欠です。

運用実績

同業種や類似規模の企業での運用実績を確認することで、自社の環境に適した対応が期待できるか判断しやすくなります。さらに、対応可能な技術領域(特定のクラウドプラットフォームやミドルウェアなど)についても、事前に確認しておくと安心です。

サポート体制

運用を任せる以上、定期的なコミュニケーションは欠かせません。窓口担当者が明確か、定例会議の頻度や報告内容は充実しているか、緊急時の連絡フローは整備されているかなど、サポート体制の実効性を確認しましょう。

レスポンスの速さや、こちらの課題や要望に柔軟に対応してくれる姿勢があるかも、長期的なパートナー関係を築くうえで重要なポイントです。

契約条件

月額固定費なのか、従量課金なのか、初期費用は発生するのかなど、料金体系を把握しておきましょう。また契約期間や解約条件についても事前に確認することで、後々のトラブルを避けられます。

まとめ

MSPは企業のIT運用における負荷軽減や属人化の解消、24時間365日体制の実現など、多くのメリットをもたらすパートナーです。一方でその選定は、企業のシステム運用の安定性を左右する重要な意思決定でもあります。対応範囲やSLA、セキュリティ体制、運用実績など、確認すべきポイントは多岐にわたるため、自社の環境や課題に合ったパートナーを慎重に見極める必要があります。

これらのポイントに加えて意識しておきたいのが、利用しているクラウド事業者と密に連携できるMSPを選ぶことです。クラウド事業者側と連携したサポートが可能なパートナーであれば、クラウド環境特有のトラブルへの対応力や最新情報へのアクセスといった面で、より心強いサポートが期待できます。

さくらインターネットには独自のパートナーネットワークがあり、自社の要件に合った監視・運用体制の構築に対応できるMSPへの相談窓口としてご活用いただけます。クラウド運用に課題をお持ちの方は、ぜひお気軽にさくらインターネットまでご相談ください。

さくらのクラウドチーム
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さくらのクラウドチーム

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