データレイクとは?DWHとの違いや導入メリット、活用例を解説

企業が扱うデータ量は年々増加し、その種類も多様化しています。社内の各部門やシステムに散在するデータを統合し、ビジネスに活用したいと考える企業が増えるなかで、「データレイク」という言葉を耳にする機会も多くなっています。一方で、データウェアハウス(DWH)との違いや自社での活用場面がわからないという声も少なくありません。
本記事では、データレイクの基礎知識からDWHとの違い、導入メリット、具体的な活用例、そして導入時に注意すべきポイントまでをわかりやすく解説します。
- データレイクとは
- データレイク導入のメリットと注意点
- データレイクの活用例
- データレイクとは
- データレイクで扱うデータの種類
- データレイクを構築するプラットフォーム
- データレイクとデータウェアハウス(DWH)の違い
- データレイク導入のメリット
- 多様なデータソースの統合
- 柔軟で探索的な分析
- 迅速な意思決定のサポート
- データレイクの活用例
- ログデータを活用したシステムの障害予兆分析
- IoTセンサーデータのリアルタイム処理
- 顧客行動ログのマーケティング
- データレイク導入時に注意すべきポイント
- データの品質管理体制の整備
- セキュリティー対策の徹底
- 適切なプラットフォームの選定
- まとめ
データレイクとは
データレイクとは、データの形式にかかわらず、あらゆる形式のデータを元の形式のまま大量に保存できるデータ基盤を指します。「Lake(湖)」の名が示すように、多様なデータソースから流れ込むデータを一箇所に集約して蓄積します。
生データをそのまま蓄積することで、将来的な分析ニーズに柔軟に対応できることが特徴です。データドリブン経営を志向する企業を中心に、データ活用の幅を広げる選択肢として関心が高まっています。
データレイクで扱うデータの種類
データレイクの特徴は、多様なデータ形式に対応可能なことです。企業が扱うデータは、おもに次の3つに分類されます。
- 構造化データ
- あらかじめ定義された項目や形式に従って整理されたデータで、一般的に二次元の表形式で管理される点が特徴です。顧客情報や売上データなど、データベース上で体系的に扱われるデータが該当します。
- 半構造化データ
- 明確な表形式ではないものの、タグやメタデータ、階層構造などの一定の規則性を持つデータを指します。JSONやXML、ログファイル、電子メールなど、一部に構造が含まれているデータが該当します。
- 非構造化データ
- 決まった形式や構造を持たず、表形式に変換することが容易でないデータを指します。文章や画像、音声、動画、SNS投稿など、多様な形式を含むデータが該当します。
データレイクでは、これらすべてのデータ形式を変換せずにそのまま保存します。そのため、将来的な活用の可能性を残したまま、データを一元管理することが可能です。
こうしたデータは日々膨大に生成され、ビッグデータとも呼ばれます。ビッグデータの活用基盤としても、データレイクは重要な役割を果たします。
ビッグデータ分析について詳しくはこちら
データレイクを構築するプラットフォーム
データレイクを構築する方法は多岐にわたります。
従来はオンプレミス環境での構築もおこなわれていましたが、大量のデータを扱うデータレイクでは、スケーラビリティやコストの観点から、クラウドサービスの活用が主流となっています。
一方で、法規制やセキュリティー要件、既存システムとの連携性から、オンプレミスでデータレイクを構築する場合もあります。
オンプレミスとクラウドの違いについて詳しくはこちら
データレイクとデータウェアハウス(DWH)の違い
データレイクとよく比較されるのが、データウェアハウス(DWH)です。どちらも大量のデータを蓄積・分析するための基盤ですが、扱うデータ形式や利用目的が大きく異なります。
DWHは、主に構造化データを扱い、事前に整理・加工されたデータを特定の分析目的に最適化した形式で保存します。月次の売上レポートや部門別の業績ダッシュボードなど、繰り返し実行される定型分析で、迅速かつ正確な結果を得られるのが特徴です。
一方でデータレイクは、あらゆる形式のデータを元の形式のまま保存します。データサイエンティストが自由にデータを探索し、新しいビジネス課題が生まれたときには過去データを活用できます。探索的なデータ分析や機械学習など、柔軟な分析ニーズに対応できることが強みです。
近年では、データレイクとデータウェアハウスの長所を組み合わせた「データレイクハウス」という新しいアーキテクチャーも登場しており、両者の境界は徐々にあいまいになりつつあります。
データレイク導入のメリット
データレイクを導入することで、企業は以下のようなメリットを得られます。
多様なデータソースの統合
従来、部門やシステムごとに分散していたデータを一箇所に集約できます。営業データやWebサイトのアクセスログ、IoTセンサーデータ、顧客サポートの問い合わせ履歴といった、異なる形式のデータを一元管理します。データソースを統合することで、これまで見えなかった相関関係や傾向を発見できる可能性が広がります。
柔軟で探索的な分析
データを未加工の状態で保存するため、あとから新しい切り口で分析したい場合にも、元データから自由に再分析できます。機械学習モデルの開発や高度なデータサイエンスの取り組みでは、生データへのアクセス性が高いことは大きな強みとなります。
迅速な意思決定のサポート
企業は最新データに基づいて現状を迅速に把握できるようになり、必要な分析へすぐに着手できる環境が整います。これにより、レポート作成までのリードタイムが短縮され、経営層や現場が迅速に判断を下せる体制が整備されます。結果として、データに基づいた意思決定のスピードが迅速化することが期待できます。
データレイクの活用例
実際のビジネスシーンでは、データレイクはどのように活用されているのでしょうか。代表的な活用例を紹介します。
ログデータを活用したシステムの障害予兆分析
システムやアプリケーションから出力されるログデータをデータレイクに集約し、機械学習を用いて分析することで、障害の兆候を早期に検知します。CPU使用率やメモリー消費量、エラーログの増加などをリアルタイムで把握することで、異常を未然に察知します。システム停止やダウンタイムの発生リスクの軽減が可能です。
IoTセンサーデータのリアルタイム処理
製造業や物流業の現場では、設備や車両に搭載されたIoTセンサーから温度・湿度・振動・位置情報などが絶えず送信されています。これらのデータをリアルタイムで処理することで、設備の異常兆候を即座に検知したり、配送状況をその場で把握したりできます。予防保全や最適な配送ルートの選択など、現場の判断や対応の迅速化が可能です。
顧客行動ログのマーケティング
ECサイトやWebサービスでは、閲覧履歴やクリック行動、購入履歴などの顧客行動データが日々蓄積されます。これらのデータをCRMの顧客情報と統合し、データレイクで一元管理することで、より精度の高い顧客分析が可能です。ユーザーの興味・行動に応じたパーソナライズされたマーケティング施策を展開できます。
データレイク導入時に注意すべきポイント
データレイクには多くのメリットがありますが、導入時には以下の点に注意が必要です。
データの品質管理体制の整備
データを保存するだけでは、「データの沼」に陥るリスクがあります。データの沼とは、データが無秩序に蓄積され、どこに何があるかわからず、結果的に活用できない状態を指します。これを回避するためには、データカタログやメタデータ管理の仕組みを導入し、データの取得元や取得時期、内容を適切に記録することが重要です。
また、データの鮮度や正確性を定期的にチェックし、信頼性の低いデータは適切に管理する体制が必要です。
セキュリティー対策の徹底
データレイクには機密性の高い顧客情報や財務データなども含まれる可能性があります。データの暗号化、アクセス権限の適切な設定、監査ログの記録など、セキュリティー対策を多層的に実施することが不可欠です。
とくに個人情報を扱う場合は、GDPR(EU一般データ保護規則)や個人情報保護法などの法規制への対応も考慮する必要があります。
適切なプラットフォームの選定
データレイクは膨大なデータ容量を必要とするため、多くの場合クラウドストレージサービスが利用されます。代表的な選択肢として、Amazon S3、Azure Data Lake Storage、Google Cloud Storageなどの外資系クラウドサービスに加え、さくらのクラウドに代表される国産クラウドもあります。
プラットフォームの選定にあたっては、データの取り込みや検索、可視化といった周辺ツールも含めて総合的に検討することが重要です。また、データ保管場所やコンプライアンス要件を考慮し、自社の利用目的に適した環境を選ぶ必要があります。
国産クラウドについて詳しくはこちら
まとめ
データレイクは、多様な形式のデータを一元管理し、柔軟な分析を可能にするデータ基盤です。データを活用した迅速な意思決定を支援するインフラとして注目されています。
一方で、データの品質管理やセキュリティー対策など、データレイク導入にあたって押さえるべきポイントも少なくありません。とくに、データを保存するプラットフォームの選定は、長期的な運用を見据えて慎重におこなう必要があります。
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データ活用を進化させるデータレイク導入を検討されている方は、ぜひお気軽にご相談ください。


