クラウドの代表的な資格8選|エンジニアが効果的に取得・活用する方法を解説

クラウド活用が企業のDX推進においてますます重要になるなか、「クラウドに精通した人材をどのように育成するか」が大きな課題となっています。この課題に対する有効な取り組みのひとつが、クラウド関連資格の取得を組織的に推進し、業務に活用していくことです。
本記事では、クラウド関連の代表的な資格の種類を紹介するとともに、資格取得・活用のメリット、効果的に進める方法を解説します。
- クラウド関連の代表的な資格8選
- ベンダーニュートラル資格4選
- クラウド関連資格を取得・活用するメリット
- 資格取得・活用を効果的に進めるポイント
- クラウド関連の資格とは
- クラウド関連資格の分類
- クラウド関連の代表的な資格8選
- ベンダー資格4選
- ベンダーニュートラル資格4選
- クラウド関連資格を取得・活用するメリット
- 組織のクラウドリテラシーの底上げ
- ベンダーとの対等な協業が可能になる
- ベンダー選定力の向上
- クラウド関連の資格を効果的に取得・活用するポイント
- 自社のクラウド利用状況を整理する
- 業務内容や役割に応じた資格を選定する
- 資格取得後は実務で知識を定着させる
クラウド関連の資格とは
クラウド活用が進む現在、クラウド技術には従来のIT環境とは異なる知識体系が求められるため、社内のスキルギャップが課題となることも少なくありません。こうした背景から、エンジニアのスキルを可視化し、キャリア形成を支援する手段として、クラウド関連資格の重要性が高まっています。
資格取得を通じて、エンジニアはクラウドサービスの設計・運用に必要な知識やスキルを体系的に習得可能です。これにより、組織全体でスキルを可視化できるようになり、人材配置や育成計画の最適化にもつながります。
クラウド関連資格の分類
クラウド関連の資格は大きく2つに分類されます。
ベンダー資格
AWS、Microsoft Azure、さくらのクラウドなど特定のクラウドサービス提供事業者が認定する資格です。各ベンダーの製品やサービスに特化した知識・スキルを証明できます。自社が特定のクラウドサービスを主に利用している場合、該当するベンダー資格の取得が実務に直結します。
ベンダーニュートラル資格
ベンダーニュートラル資格は、特定のサービスに依存しないクラウド全般の基礎知識を体系的に学べる資格です。複数クラウドの比較検討やクラウドの全体像を理解したい人に向いています。クラウド初心者の入門や基礎固めとしても活用しやすいのが特徴です。
クラウド関連の代表的な資格8選
クラウド分野には多様な資格があります。ここでは、ベンダー資格とベンダーニュートラル資格から、それぞれ4つずつ代表的なものを紹介します。
ベンダー資格4選
1. AWS認定資格
Amazon Web Services(AWS)が提供する公式認定資格です。公式の学習教材やオンラインコースが豊富に用意されているため、クラウド初心者でも体系的に学習を進めやすい環境が整っています。
資格は3つのレベルに分かれています。
初級の「AWS認定クラウドプラクティショナー」は、AWSの基本概念やサービス全般の理解を問うものです。中級の「AWS認定ソリューションアーキテクト(アソシエイト)」では、AWS上でのシステム設計・構築スキルが必要とされるため、実務での活用力を示せる資格となります。上級の「AWS認定ソリューションアーキテクト(プロフェッショナル)」は、複雑な要件に対応できる高度な設計力を証明する資格です。
実務経験がない場合は、まず初級資格から取得し、段階的に難易度の高い資格にステップアップするとよいでしょう。
AWS 認定 – AWS クラウドスキルの検証 – AWS 認定の取得
2. Microsoft Azure認定資格
Microsoft Azureの認定試験は、27種類の資格が役割や難易度によって分類されています。試験は難易度ごとに、初級者向けの「Azure Fundamentals(AZ-900)」、中級者向けの「Azure Administrator Associate」、上級者向けの「Azure Solutions Architect Expert」に分かれています。
業務で実際にAzureを利用する場合は、中級以上の資格を目指すことで、より実践的なスキルを身につけられるでしょう。
専門的および技術的な資格証明と認定 | Microsoft Learn
3. Google Cloud認定資格
Google Cloudの認定試験は、基礎・アソシエイト・プロフェッショナルの3段階で全11種類が用意されています。
試験は難易度ごとに、初級者向けの「Cloud Digital Leader」、中級者向けの「Associate Cloud Engineer」、上級者向けのプロフェッショナルレベル資格に分かれています。実務でGoogle Cloudを扱うエンジニアは、「Associate Cloud Engineer」以上の取得を目指すとよいでしょう。
4. さくらのクラウド検定
さくらのクラウド検定は、さくらインターネット株式会社が提供するデジタル技術を基礎から実践まで幅広く学べる認定試験です。ITインフラの初心者や、さくらのクラウドの利用を検討している方に適しています。クラウドのアーキテクチャ設計を中心に実務で直接活用できる技術が身につきます。国産企業に特化したクラウドサービスの知識を証明できるため、国内のクラウド環境構築を担当する方におすすめの資格です。
ベンダーニュートラル資格4選
1. 基本情報技術者試験
基本情報技術者試験は、情報処理推進機構(IPA)によって運営される試験です。
出題範囲は、ITの基礎やプログラミング、経営戦略、法務に至るまで非常に多岐にわたります。IT業界を目指す学生や若手エンジニアの受験が多く、ITの基本的な知識を身につけたい方には適した試験です。IT全般の幅広い知識を問われるため、これからクラウド領域に関わる社員の最初のステップとしてもおすすめです。
基本情報技術者試験 | 試験情報 | IPA 独立行政法人 情報処理推進機構
2. 応用情報技術者試験
応用情報技術者試験は、情報処理推進機構(IPA)によって運営される試験で、基本情報技術者試験の上位資格です。この試験では、IT技術の応用力に加え、プロジェクトマネジメントや経営戦略など、上流工程の知識も問われます。情報システム部門のリーダー層や、より高度な業務を担当する社員に推奨される資格です。
応用情報技術者試験 | 試験情報 | IPA 独立行政法人 情報処理推進機構
3. CompTIA Cloud+
CompTIA Cloud+は、ITに関する規格の標準化団体「CompTIA」が認定するクラウド関連の資格です。特定のクラウドベンダーに依存しない汎用的なクラウド知識を証明できます。クラウドインフラの管理・運用・セキュリティに関する幅広いスキルが身につき、特定のプラットフォームに縛られない視点でクラウド技術を理解できる点が強みです。複数のクラウドサービスを併用している企業や、クラウド全般の基礎を固めたい方に適した資格といえます。
4. CCSP(Certified Cloud Security Professional)
CCSPは、ISC2が提供するクラウドセキュリティ専門の国際資格で、安全なクラウド環境を設計・実装・運用するための高度な知識を証明できます。とくにセキュリティ要件の厳しい業界や、コンプライアンス対応を重視する企業では評価が高く、専門性の高さから需要も増えています。
また、クラウド特有のセキュリティリスクへの対策や、データ保護・プライバシー管理に関する深い理解が求められる点も特徴です。ただし、受験には5年以上の実務経験が推奨されるため、ある程度のキャリアを積んだエンジニア向けの上級資格となっています。
クラウド関連資格を取得・活用するメリット
クラウド関連資格の取得には、個人のキャリア形成だけでなく、組織全体にも以下のようなメリットがあります。
組織のクラウドリテラシーの底上げ
特定の担当者だけがクラウドに精通している場合、その担当者の退職や異動によってプロジェクト自体が停滞するおそれがあります。資格取得を通じて複数の社員が体系的な知識を習得することで、組織全体のクラウド理解度が向上し、属人化を防ぐことが可能です。チーム内で共通言語が形成されることにより、意思決定がスムーズになることも期待できます。
ベンダーとの対等な協業が可能になる
クラウド活用プロジェクトでは、外部ベンダーやパートナー企業と協業する機会が多くあります。社内に資格保持者がいることで、ベンダーからの提案内容を技術的に評価し、適切な判断を下せるようになります。要件定義の精度が上がり、過剰なスペックや不要な機能を排除した適切な提案を引き出すことができるでしょう。
ベンダー選定力の向上
複数のクラウドサービスから自社に最適なものを選ぶには、各サービスの特性や強み、料金体系を正確に理解する必要があります。資格学習を通じて主要クラウドサービスの違いを体系的に把握できれば、自社の業務要件に合致したサービスを選定しやすくなります。マルチクラウド戦略を検討する際にも、各クラウドの得意領域を理解でき、使い分けの判断がしやすくなるでしょう。
マルチクラウドについてくわしくはこちら
クラウド関連の資格を効果的に取得・活用するポイント
クラウド関連の資格取得・活用は、次のポイントで進めるとよいでしょう。
自社のクラウド利用状況を整理する
まず、自社が現在どのクラウドサービスを利用しているか、今後どのような方向性で活用を拡大するかを整理しましょう。複数のクラウドサービスを併用している場合や、これから本格導入を検討する段階であれば、まず汎用的な基礎資格から始めるとよいでしょう。
業務内容や役割に応じた資格を選定する
自身の業務内容や役割に応じた資格を選定することが重要です。実際にクラウド環境の構築・運用を担当するエンジニアには、自社が利用するクラウドベンダーの資格が実務に直結します。一方、プロジェクトマネージャーや企画部門の担当者には、ベンダーニュートラルな資格で複数クラウドの比較検討ができる知識を身につけることが有効です。また、セキュリティ担当者にはCCSPのような専門特化型の資格が適しています。
資格取得後は実務で知識を定着させる
資格取得だけでは、十分に実務対応力を身につけることはできません。検証環境で実際にサーバー構築やネットワーク設定を経験したり、社内の小規模プロジェクトに参加したりするなど、実務経験を積む必要があります。座学で得た知識を実際に業務に活かすことで、スキルとして確実に定着させられるでしょう。
まとめ
クラウド関連資格の活用は、組織のクラウド対応力を強化する有効な手段です。
自社のクラウド利用状況を整理し、役割に応じた資格を選定すること、資格取得後は実務経験とセットで知識を身につけることが重要です。
さくらのクラウドでは、「さくらのクラウド検定」を通じてクラウド技術を基礎から実践まで体系的に学べる環境を提供しています。また、検証環境として気軽に試せるクラウドサービスもご用意していますので、資格取得後の実務経験の場としてもご活用いただけます。
クラウド導入や資格取得支援をご検討の際は、ぜひお気軽にご相談ください。


