仮想環境としてVMwareをご利用中のお客様より、VMwareのディスクイメージをさくらのクラウド上で利用する方法について多くのお問い合わせをいただいています。
さくらのクラウドでは、さくらのクラウド上で生成されたディスクイメージ以外のインポートは公式サポートしていませんが、参考情報としてイメージ形式を変換してさくらのクラウド上で利用する方法についてお知らせします。
本記事ではLinux環境での操作を想定していますが、Windows版のVMware OVF ToolやQEMU on WindowsをインストールすることによりWindows環境で一連の作業を行うことも可能です。
※記載の内容は無保証です。他社製品の名称や操作手順、リンク先URLは変更される可能性があります。また、お客様自己責任での作業となり、操作の結果や記事内容についてのお問い合わせ対応はいたしません。あらかじめご了承ください。
1. OVAファイルをVMDKファイルに変換
VMware製品向けの仮想環境用ディスクイメージフォーマットとして広く利用されているOVAファイルの場合、後述するqemu-imgコマンドによるRAWファイルへの変換作業の前にVMDKファイルに変換する必要があります。変換にはVMware社が公式に配布している「VMware OVF Tool」を使用します。
VMware OVF Toolのインストール後、ovftoolコマンドでVMDKファイルに変換します。
- $ ovftool CentOS-65-64bit.ova CentOS-65-64bit.vmx
これにより、カレントディレクトリ内に”.vmdk”拡張子を持つVMDKファイル形式のディスクイメージが生成されます。
※直接VMDKファイルを取得できる場合
VMware ESXiやVMware Playerなどで動作中のディスクイメージの場合、VMware OVF Toolで変換せずに直接取得することが可能です(分割VMDKファイル形式を使用している場合はあらかじめVMware Workstationなどに付属のvmware-vdiskmanagerで1個のファイルに統合してください)。
取得方法については各仮想環境マネージャのドキュメントを参照してください。
2. VMDKファイルをRAWファイルに変換
qemu-imgコマンドでVMDKファイルをRAWファイルに変換します。qemu-imgコマンドはyumなどのパッケージ管理システムよりインストールすることが可能です。
- $ yum install qemu-img
qemu-imgのインストール後、convertオプションで変換を実行します。
- $ qemu-img convert CentOS-65-64bit.vmdk CentOS-65-64bit.raw
上記の実行例では、最終引数に指定した”CentOS-65-64bit.raw”というファイル名でRAWファイル形式のディスクイメージが保存されます。
3. アーカイブとしてさくらのクラウド上にアップロード
RAWファイルに変換したディスクイメージをさくらのクラウド上にアップロードします。アップロードにはアーカイブ機能を利用し、以下の手順により行うことができます。
- さくらのクラウド コントロールパネルにログイン
- 上部メインメニュー「ストレージ」→左側サブメニュー「アーカイブ」を選択
- 「追加」ボタンをクリックし、新規アーカイブ作成画面に移動
- アーカイブソースに「ブランク」、アーカイブサイズにアップロードしたいRAWファイルのイメージが保存可能な容量を選択(「名前」や「説明」は任意で入力)し「作成」ボタンをクリック
- 完了画面に「ホスト名」、「ユーザ名」、「パスワード」が表示されるので、この情報を使用してFTPS(TLS)で接続
- FTPS接続後のディレクトリ直下にRAWディスクイメージをアップロード
- FTPSクライアントの接続を閉じ、コントロールパネルのアーカイブ情報画面の「FTPを完了」ボタンをクリック
これで、アーカイブへのアップロードが完了しました。アップロードしたrawディスクイメージを使用する場合は、サーバの新規作成画面などでディスクソースに「アーカイブ」を選択し、アーカイブ選択ポップアップメニューよりRAWファイルをアップロードしたアーカイブを選択します。